【中国輸出】一般貿易と越境ECの違い
はじめに
最近ではコロナが終盤を迎え、事業を海外展開がしやすくなっています。莫大な消費者がいる中国市場に進出したい方も多く見受けられます。中国向け輸出の中で、越境ECと一般貿易は代表的な進出方法の一つとなっています。ここでは、越境ECと一般貿易の違いや特徴について解説していきます。
越境ECと一般貿易の違い
越境ECは、インターネットを通じて、商品を直接中国の消費者に販売する方法であり、一般貿易は商品を中国にある企業に卸して、そこから中国国内で販売する方法である点が大きく異なります。
また、関税の面でも、越境ECでは一定額以下の商品は輸入関税と消費税が免除される場合もありますが、一般貿易では輸入関税、消費税、および付加価値税が課されます。
さらに、越境ECは手続きが比較的簡単で、中国の消費者に対して直接販売できますが、一般貿易は大量の商品を扱うことが多く、複雑な手続きやノウハウが必要になる場合があります。
越境ECの特徴
越境ECは、ウェブページ、タオバオやT-mall、WECHATミニプログラムなどのオンラインマーケットプレイスやソーシャルメディアなどを通じて販売することが一般的です。消費者が商品を注文して、その注文を受けて日本から消費者に商品を送る仕組みになっています。
また、一定額以下の商品は輸入関税と消費税が免除される場合があり、手続きも比較的簡単で、ノウハウを持たない企業でも始めやすいというメリットがあります。ただし、海外からの発送や配送方法にも注意が必要であり、物流会社の支援が必要になる場合があります。
一般貿易の特徴
一般貿易は、日本の商品を中国の子会社または提携会社に大量に卸し、そこから中国国内で販売する仕組みです。大量の商品を取り扱うことが多く、輸入関税、消費税、および付加価値税が課せられます。
また、商品によっては品質検査、認定、ラベルやマニュアルの翻訳などの手続きが必要になる場合があります。一般的には、中国の企業との取引が中心であり、ノウハウや手続きが必要になるため、一定の経験や知識が必要となります。
最後に
越境ECと一般貿易の違いについて説明してきましたが、実際にどちらの方法で貿易を行うべきかというのは、商品や事業者の状況によって異なります。
越境ECは、インターネット上での販売が主体となるため、在庫を抱えずに販売が可能であり、輸出入にかかるコストが抑えられるというメリットがあります。また、商品の小口出荷や少量多品種の販売が可能であるため、商品の試験販売や新規事業の立ち上げに適しているといえます。
一方、一般貿易は、大口取引や長期的な取引が主体となります。商品の在庫を抱えるため、一度に大量の商品を輸出入することができ、単価が高い商品においては、一般貿易の方が利益を得やすい場合もあります。
そのため、商品の性質や事業者の販売戦略に応じて、越境ECと一般貿易のどちらを選ぶかを慎重に判断する必要があります。
最後に、中国への貿易には、現地の法律や規制、税制に詳しくなることが必要です。また、中国の消費者の嗜好や需要に合わせた販売戦略を考えることも重要です。しっかりと準備をして、中国市場での貿易を成功させましょう。